昨日から玄米を食べはじめた。昼は玄米のチャーハン。自然とパラパラのチャーハンになっていておいしかった。午後は会社に行って、3時間くらい仕事をして帰ってきた。どうせ今日行かなかったら、来週残業することになるので、たいして変わらない。

 一昨日から読み始めたレイナルド・アレナス『襲撃』を読了。怒涛の勢いで読んでしまった。

 

全体殲滅刑により有罪宣告された有罪人は有罪判決を受けて以降、宣告済みの者としても処刑済みの者としても、恥知らずの反逆者としても国敵としても存在しなくなる。そもそも存在すらしなくなるのだ。この種の刑の執行は、数多くの再修正や調整、確認や追加事項を伴うため時間がかかり、そのおかげで俺は奴等がかつて一度も存在しなかったことになる前に、この畜生ども全員を事細かに調べることが出来る。ある罪人に対する全体殲滅を実行するには、全体に及ぶ殲滅という名の通り、その家族全員、あらゆる知人、そして知人と思しき者たちを殲滅すること、また同様にその畜生がこの世に残したありとあらゆる自身のしるしや痕跡、書いた落書きや線などを殲滅しなくてはならない。そいつのことを覚えている者(探し出すための取締員には事欠かない)もまた全体殲滅を宣告されるし、そいつが存在したかどうか疑っている者もまたこの刑に値し処刑される。他ならぬ看守や処刑人も全体殲滅を宣告される、というのも罪人を知る鼠どもの仲間入りをしてしまうがゆえに連中もまた鼠として認定されるからであり、残った鼠どもを処刑するために選ばれたのでありながら、連中もまた新しく鼠となる者どもによって処刑されるってわけだ。

 

罪人どもの仕事とはこの砂漠の不毛さを和らげることなのだ。そして、ここには天然にせよ人工にせよ灌漑というものがないので、残る目標は人間灌漑のみということになる。やり方はこうだ。平野の各辺に所員が操作する長い巨大な金属の棒がある。至極当然のこととして首に首枷を付けられた収容所の罪人が、棒の横に一列に並び、棒に繋がれていく。そして棒が一杯になると、また別の罪人の一団が棒の両端を掴む。棒を押す者たちは唾を吐く必要がない、唾を吐くのはもう一方の、首枷で棒に繋がれた連中の役目だ。平野に少しでも水分を与えるため、絶え間なく唾を吐くのが仕事なのだ。

 

唾を吐かなかったやつは自動的に首枷から外され、言い訳も口答えも許されないまま、平野の脇にそびえる貯水槽へと連れて行かれる。誰一人として――というのは、全員が規則正しく頭を下げて唾を吐かなければならないからだが――、唾を吐かなかった奴が高い貯水槽の階段を登って行くのを見る者はいない。飢えでは、係の所員が素早い動きで、唾を吐かなかった奴を貯水槽の中に突き落とす、すると貯水槽は落ちて来る入所者の体重を受け、刃のついた十字の歯車と圧搾機を作動させ始める。抽出された液体はパイプを通って溝まで流れて行き、そこで貪欲な大地に吸収される。そいつの残りの部分(ほとんどないに等しい)は、運ばれて堆肥の一部となり、裏手に山積みにされる。

 

全ての拡声器から、超厳帥の肉声を予告する以下の前口上が聞こえてくる。《全宇宙世界に比類するものなき至上の瞬間が来た。全世界の世界市民が興奮に燃え、我等が世界的英雄の言葉を待っている。偉大かつ超卓にして超絶、超絶無かつ超絶超卓にして超卓超絶なる超厳帥が超絶を極めし御言葉をお発しになられる》。そして超厳帥の演説が始まる。